【授業レポート】テキトーすぎる男が家事を学んだら人生変わった話。

※2026年9月17日(木)に開催した京都カラスマ大学「テキトーすぎる男が家事を学んだら人生変わった話。」授業レポートです。

「煮魚をつくったら、人生の悩みがじわじわ消えた」
タイトルだけで、惹かれてしまう。「稀人(まれびと)ハンター」を名乗る川内イオさん初のエッセイで、今回はなぜか「大人の家庭科」の話だという。「大人の家庭科」の重要性、兼ねてから考えていたんですよ、私も。
新刊発売を知り、「関西に来ることがあったら京都にも寄ってくださいねー」とラブコールを送ったら、著者の川内イオさんからDMで返事が届く。「来週、名古屋まで行くので、足が伸ばせますよ」。
やりましょう、やりましょう、平日だけど。私たちの拠点、リバーサイドカフェで。ちょうど木曜の夜の店長さんは「狩猟ハンター」でもあるから、ハンター × ハンターだし。
と言うわけで、急遽開催した平日夜の授業。スタッフの人手不足で、ご参加の生徒さんにレポートを書いてもらうことになりました。ここからは、森さんのレポートをお届けします。(授業コーディネーター:高橋マキ)
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「イオさん、全部ダメですねって言われちゃった」
担当編集者にそう言われたという。

家事を習ったら、自分に自信が持てるようになった。学ぶって、「安心を得ること」だ。
発売日翌日。できたてほやほや、まだ湯気の出ている新著『煮魚を作ったら、人生の悩みがじわじわ消えた』(大和書房)をトランクに詰めて京都にやってきたのは、「稀人ハンター」川内イオさん。 世界に埋もれている稀有な人を見つけて紹介するライターだ。
東京からこちらへ向かう途中、下車した豊橋の駅で、新幹線の棚に、本を入れたトランクを危うく忘れそうになった。さすがは「テキトーすぎる男」。幸い、乗ってきたのが「こだま」。豊橋駅で3分停車している間にホームを駆け戻り、無事救出して、セーフ!「大人の家庭科」をテーマに、出町柳にある「リバーサイドカフェ」で講義をしてくださった。

自称「焼くだけ男」。
料理は「焼く」のみ。
そんなイオさんが一念発起、「男の家庭科」に取り組んだ記録。
新著『煮魚を作ったら、人生の悩みがじわじわ消えた』は、「料理」「洗濯」「片付け」「お金の管理」という4つの分野の専門家に教えを請い、学んだこと、学んだことで変わっていく世界の見え方をまとめたエッセイ。
「大さじ1/3とか小さじ1/2とかムリ」
「適量ってなによ?」
そんなイオさんが、ちょうど1年かかって料理を覚えた。料理を習ったら、料理のコツではなく「だれでも簡単に作れるおいしいレシピ」が嗅ぎ分けられるようになった。名付けて「一本道(いっぽんみち)レシピハンター」。

洗濯もまたしかり。
「洗濯って、習ったことあります? ちゃんと教わったことないでしょう?」
洗濯が一番学びが多かった、というイオさん。
「シミ取りは理科の実験みたいで面白かった。こんな汚れ、絶対落ちないだろうと思っていた汚れがきれいに落ちるのを体験して、家にあるものを片っ端から洗いました」
「生乾き臭が気になるの、僕だけじゃないと思うんですけど。洗剤とか洗い方とか以前に、そもそも洗濯槽自体を一か月に一度は洗わなきゃいけないとか、知らなかった」

洗濯機はドラム式がいいのか縦型がいいのか。洗剤の量ってどうやって決めてるの? 一度は文字にしたけれど、本にする過程で泣く泣くバッサリ引き算したネタにもおよび、話は止まらない。45歳になって家事を学ぶことは、それほど、新鮮で新しい経験だった。
そして、「片付け」と「お金の管理」には意外な共通項があった。その答えは、ぜひ本で。

いまさら聞けない大人の家庭科。
「やり方」なら、AIに聞けば教えてくれる時代だ。でも、人から教わると「自分にもできるかもしれない」と思える。できることが一つ増えるたびに、暮らしへの不安が一つ減っていく。
家事を学ぶことは、単に家事が上手になることではない。自分の暮らしを、自分でなんとかできるという「安心」を手に入れることなのかもしれない。

ライターならではの視点を織り交ぜながらの京都カラスマ大学の授業。リバーサイドカフェの日替わり店主が作るマカオ料理をいただきながら、学ぶことのおもしろさをあらためて味わった時間だった。
(文:森佳乃子)
(写真:リバーサイドカフェ水曜夜枠「すしほ」店長)
2020年に開催した川内イオ先生の授業「僕が見てきた「美味しさ」の裏舞台。社会を変える!ネクストファーマーズの挑戦」レポートはこちらから
https://www.karasumauniv.net/post/report_20200124_nextfarmers
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