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執筆者の写真京都カラスマ大学

【授業レポート】核なき世界のつくりかた

※2022年11月26日(土)開催「核なき世界のつくりかた」の授業レポートです。

 

レポートを読み進める前に、みなさんも少しだけ考えてみてください。

「核兵器」と聞いて、皆さんはどんなことを考えますか?




今年の2月から始まったロシア・ウクライナ戦争は、開戦から既に9か月が経過しましたが、一向に終息の兆しが見られません。日本の地にいても、戦争の被害や、攻撃の余波が日本に来るのではないかと不安に思っている方もいるでしょう。戦況がさらに悪化すれば、核兵器が使用されることも否定できない状況にあります。


核兵器が使用されない為に、私たちができることは何か。この問いの答えを見つける一助になればと思い、学びの場をつくりました。


今回の授業は「議員ウォッチ47」とのコラボレーション。教室は、ピースフルな雰囲気に満ちあふれるバザールカフェです。


松村真澄さんと高橋悠太さんを先生にお迎えし、核兵器とは何か、核兵器をなくすために世界ではどんなことが起きているのかをお話していただきました。



松村真澄さんは、幼い頃から海外への憧れを抱き、英語だけでなくスペイン語も習得。得意の言語を活かし、ラテンアメリカをはじめとする様々な国との繋がりを持っています。今は核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)、ピースボートのスタッフとして活動されておられます。




続いて、高橋悠太さんは広島県福山市出身、中学生の頃から平和や人権の問題に取り組んで来られました。大学進学を期に上京後は核廃絶に取り組む「KNOW NUKES TOKYO」を立ち上げ、オンラインでの被爆証言会や国会議員との面会を行っています。


授業では、まずは高橋さんから、1945年の夏、広島・長崎のきのこ雲の下でなにが起こったのかを説明して頂きました。



当時被害を受けた人の中には朝鮮から連れて来られていた人や胎内被爆をし、生まれながらにして被爆者であった人もいる。さらに、原爆の被害はあの日だけでなく、被爆者のその後の人生にまでも及んでいることを、一人の被爆者から聞き取りをした経験を踏まえて話されました。


77年前の悲劇は突然現れたものではなく、人間の手によって作られたもので、人間の手で終わらせるものだと力強く語ってくださいました。


高橋さんのお話のあと、生徒の中から手が上がりました。「このような悲劇が起きた根本的な原因について、日本の学校では教育されているのか」という、とても素朴な問い。彼は、韓国からの留学生だそうです。



「やはりその点は学校教育において抜けている。原爆投下の理由は日本が戦争を始めた理由を追求することになるから、やはり隠されてしまう」と高橋さん。


生徒の中に、教員をされている方もいらっしゃったので発言してもらいました。


「教員は“自分のこと”は語れるが、曖昧で不安なことは語れないんです。私は英語の教員だが、社会の先生に今日のことをしっかりお伝えしたいと思います」


学校教育に希望が持てる声をいただいた気がします。


その後は松村さんのお話です。2017年に核兵器禁止条約が採択されたこと、ICANがノーベル平和賞を受賞したことからお話が始まりました。


核兵器禁止条約(TPNW)

核兵器禁止条約は核兵器を「非人道兵器」として、その開発、保有、使用あるいは使用の威嚇を含むあらゆる活動を例外なく禁止した国際条約です。条約の前文では、広島・長崎の被爆者や世界の核実験被害者がこうむった受け入れがたい苦しみと、核兵器廃絶に向けたこれまでの努力について言及されています。また、条約は、現在核兵器を保有している国がそれらを廃棄するための基本的な道筋を示すとともに、核兵器の被害者の権利を定めるものとなっています。2020(令和2)年10月24日(日本時間 10月25日)、批准国が50か国に達しました。これに伴い、90日後の2021(令和3)年1月22日に条約が発効しました。
しかし、この条約に入ろうとしない国々がまだあるので、時間がかかります。いま、この決まりを守るという国は、世界197カ国中の68カ国。私たちが暮らす日本は、入ろうとしない国のひとつです。


「1945年から核兵器廃絶を願う広島・長崎の被爆者はもちろん、世界中の核兵器廃絶を願う人々が喜びの声を上げ、世界は核兵器廃絶に向かっています。核兵器禁止条約と聞くと、自分とは遠い存在に感じられるかも知れないけれど、これは核兵器を禁止した世界での約束です。『核兵器をなくそうよ』と伝えよう!」とお話をされました。


後半は、4〜5人のグループに分かれて「核兵器をなくすために私たちに何ができるのか」考えました。




京都では知事が核兵器禁止条約に賛同しているものの、2020年に府議会では否決されていることから、府議員へアプローチをかけること。友達など、自分の隣の人に議員ウォッチのことや、核兵器禁止条約について伝えるなど、私たちができることを出し合いました。



核兵器と聞くと「怖い」「難しい」などのイメージを持つ人も多いと思います。しかし、私たちは、核時代を生きている核の当事者です。





核兵器廃絶のために私たちにできることを、小さなことから一緒に始めてみたい、という気持ちを共有できる授業となりました。





※議員ウォッチとは、日本のすべての国会議員、都道府県知事、市区町村の立場をオンライン上で明らかにして、市民がたえずウォッチするとともに、疑問に思ったことは議員たちに直接問いかけていくことができるプロジェクト:https://giinwatch.jp/


レポート:芽美(議員ウォッチャー)

コーディネーター:けん(PEACEBOAT・カラスマ大学)



 

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