【授業レポート】「学びのカタチ、コトバのカタチ~大学でデザインとアートを学ぶって?」
- 京都カラスマ大学
- 1月8日
- 読了時間: 8分
更新日:1月19日
※2025年11月12日(水)に開催した京都カラスマ大学授業「学びのカタチ、コトバのカタチ~大学でデザインとアートを学ぶって?」サポートスタッフによる授業レポートです。
来年度、京都に新しい学びの場が生まれるそう。 それは、立命館大学デザイン・アート学部。
この新学部のコンセプトが「京都のまち全体がラーニングプレイス」だと聞けば、17年前の開校当初から「京都カラスマ大学に校舎はありません。この「街」が、キャンパスです」を掲げて活動する京都カラスマ大学としては興味深々!
という授業告知の文章を読んで、早速この授業のボランティアスタッフに手をあげました。
教室は、四条駅からも歩いてすぐの船鉾町会所。え?祇園祭のあの船鉾が保存されている建物なのか!! と恐る恐る入ってみると、「京町家キャンパス」と聞いていただけあって、まさに、ウナギの寝所!
続き間と長い通り庭の土間部分には、ずらっと、今回お披露目となった新学部に関わる予定の先生方のプロフィールパネルが並んでおりました。
デザイン、アートはもちろん、芸能、工芸、歴史、文化財、建築と、様々なバックグラウンドをお持ちの講師の皆さんが今まで出版した書籍や中には土偶?まで、読み応え見応えたっぷりのパネル展示でした。
早めに到着された生徒のみなさんは、開始まで、しばし各々パネルの見学。
見学していると、先生が到着。
今回の先生は、アメリカでの20年のキャリアを経て、この新学部に着任するため日本に帰国した大島ヨウさんです。専門分野はデジタルデザイン表現。今まではアメリカと日本を行き来しながら国内の大学でも、3Dプリンティングやモーショングラフィックス等の特別授業を行なっていたそう。
先生:大島ヨウさん(立命館大学デザイン・アート学部教授/多摩美術大学プロダクトデザイン学科非常勤講師) ▶︎ 建築スタジオ「deegan day design 」でプロジェクトマネージャーとして現代建築に取り組んできた。 「Art Center」では3Dプログラム、モーショングラフィックス、デザインスタジオを担当している。また、多摩美術大学では非常勤講師を務めている。 2025年開校の立命館大学デザイン・アート学部教授。個人スタジオ「Amisoy Design 」では、建築、グラフィックス、モーション、プロダクトなど様々な ジャンルのクロスオーバーのデザインを手掛けている。さて、奥土間の広い空間には、ヨウ先生が多摩美術大学において2022年から毎年実施してきた特別授業「コトバの断片をカタチにする ー Word Fragment to Form 」という取組みから生まれた作品群が展示されておりました。
「ことばの断片をかたちにする 」?一体どういうことなのでしょう。
早速、展示室に入ってみると、そこには小さな白い塊がずらりと小さなショーケースに入って並んでいます。よくみると、一つひとつつの作品には「形容詞」「動詞」「擬音語」の札が貼ってあります。これらは、各年度ごとのテーマ。
例えば、危ない/はがれる/溢れる/暴れる/トゲトゲなど。
ちなみに、陰キャの私が見入っていたのはこれ。

人ごととは思えない。笑
いろんな「コトバとカタチ」がありましたが、これは実際の授業の中で、学生たちから出てきた言葉だそう。で、この言葉をどうしてどうしてこの形になっているか。というと、
① 出た言葉の感情や、動き、質感など多様なイメージをブレストし合い、言葉の捉え方や表現方法を対話によって広げていく。
② ブレストで出てきた言葉のイメージをスケッチ
③ スケッチを参考にデジタル空間で立体を作成《モデリング/3D形状化》
④ モデリングで作成した形状を細かく調整(表面の滑らかさや面のつながり、厚みなど)し、造形としての完成度を高める《リファインメント》
⑤完成した3Dデータを高性能ポリマー3Dプリンターで出力しデジタルデータを実体化する。《3Dプリンティング》
という工程を経て、これらのコトバのカタチが、今、目の前に並んでいるとのこと。ヨウ先生曰く、これは、「コトバは形を持たないが、感覚としてカタチにできるのではないか?」という問いからスタートする授業なんです。ということで、うん。すごく面白い!

確かに滑らかな曲線、表面の質感などとっても詳細まで表現したかったことの形を見てとることができるようです。3Dプリンター、もうこんなこともできるのか。
さて、ここまでは生徒のみなさん、楽しく作品鑑賞しております。鑑賞者として。

この後、まさか自分たちも、言葉を形にすることになるとは、思いもせずに、、、
2階に上がると、広いお座敷。
この空間に、カラスマ大学のための小さな教室を作っておいたのでした。
さて、それでは本日のワークショップの始まり始まり。
まずは、思い思いにコトバを書き出していきます。「形容詞」「動詞」「擬音語」の中で、カタチにできそうなコトバを8つづつ書いて、それぞれテーブルに並べます。
ずらっと出てきたコトバたち。
それから、その「言葉」のイメージについて、書き出した本人が説明していきます。ここでもう、新たな発見第一弾。当たり前と言えば当たり前なのですが、同じ言葉の受け取り方ひとつとっても、人が違えば違う受け取り方をしている可能性がある。
そうですよね。え、この言葉、そういうイメージで使っているのね。とか、その言葉、そういう意味でもそういう感じもするかもね。とか。表現方法自体がいい感じに拡張したところで各自、この中から形にしてみたい(もしくはできそうだと思った)コトバを3つ選びます。

ここからは、どのコトバを選んだか、お互い秘密にしながらのスケッチタイム。自分が選んだコトバのイメージをなんとか絵にしてみます。各自黙々と机に向かってお絵描き。私も一緒にワークしたのですが、これが、結構悩みます。
最初に受け取ったイメージや感覚(目に見えないもの)を、実際にカタチにするのだから当然と言えば当然なのですが、普段使っていない脳みその部分がぐるぐる動いているようで、とっても楽しかったです。
大体描けたら、絵の下に選んだコトバも書き込んで、そこだけ色テープで見えないように隠しておきます。
そして最後は、お披露目の時間!
スケッチした絵を順に見ていき、それがさっき書き出されていたコトバの中の、どのカタチか、をみんなで考えていきます。
「あ!わかった!。。かもしれない?」
「そうなんじゃないかなと思いながらも、ちょっと自信がないんですけど」
「わかったような気がします」

私、この様子を見ながら、生徒のみなさんから出てくる言葉のひとつひとつにも、すごい宝物のような出来事が潜んでいる気がしてなりませんでした。
わかった(かもしれない)
違う(かもしれない)
そうだと思う(自信がないけど)
という前置きの言葉と、その後思い切って答えてみるという繰り返し。
それが当たってても、当たってなくっても、良いのです。
こういう状況に自分の身を置くことって、日常で、なかなかできないから。
人ってやっぱり、決まったこと、わかっていること、わかりやすいこと、得意なこと、知っていること。に流れがちですもん。楽だし、まちがえないし。
間違えたくないから、恥ずかしいから、自分と違うからって思って引っ込めちゃう言葉や行動が本当に多くなってきた世の中だから、スマ大の授業の中では自由な発想で、自由な行動で、やってみてほしいです。
それで、そのあと、テープをめくって、コトバを確認するんですけど、ここからもまたよかったです。
「なるほどね」「そういうことね」「面白いね!」「いいね!」
納得とも、腑に落ちるとも違うけど、楽しいし、面白い。もう、なんとも言えない優しい空気感。よく、アハ体験とか言いますけど、こういうことって現象は小さくとも、それまでの見え方がガラっと変わることがあります。
こうして目の前の小さな紙切れに書かれた一つの絵だけで、自分の中になかったいろんなことに、気がつくことができる。自分以外の存在に気づくことができる。
今日の短い授業の中だけでも、創造や造形プロセスの領域や境界線が頭の中で小さく小さくどんどんクロスオーバーしていって、誰もが広く世の中を捉え直す機会を持つことができる。良いです。すんごく良いです。

最後は、教室の柱に、みんなのイラスト貼って、ヨウ先生からのお土産の芋羊羹食べながら、感想共有タイム。ああ、なんだかとっても良い時間でした。
目の前に、ポンと置かれた小さな言葉の欠片から、たくさんのプレゼントをもらった今回の授業。ヨウ先生の、そして、この春に新設される立命館大学のデザインアート学部から、今後、どんな動きが湧き上がってくるのかにも引き続き、注目していきたいと思いました。
ミライのカタチになんか久しぶりに希望が持てたなぁ。
大島ヨウ先生、今回は素敵な授業をありがとうございました!
(写真/授業レポート Ayumi Yamakura)
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