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執筆者の写真京都カラスマ大学

【授業レポート】納豆屋さんで、カンタン手前味噌づくり|2024ver

更新日:9月17日

※2024年2月4日(日)に開催した京都カラスマ大学授業「納豆屋さんで、カンタン手前味噌づくり|2024ver」ボランティアスタッフによる授業レポートです。


 




2月4日。暦では立春という春の始まりの日に、味噌屋さんではなく納豆屋さんで手前味噌づくりの授業を行いました。



この授業は今年で4回目。今回も、お世話になるのは、大正14年から続く「藤原食品」の藤原和也さんで、現在は4代目になります。




まずは、納豆屋の製造所の中にお邪魔をして、大きな釜で大豆がふかふかにスチームされた様子を見に行きました。


大豆にまでこだわりを持っている納豆屋さんは少ないそうですが、この藤原食品の納豆は滋賀県湖北町産のこだわりの大豆「オオツル」を使用しています。








一晩浸水して茹でたこの大豆を1人2キロずつタライに分けていただいて、それぞれ4キロの「手前味噌」をつくります。製造所から、タライを抱えたまま歩いて場所を移動し、藤原食品のキッチン付き店舗で味噌仕込みです。


味噌は、麹と大豆を混ぜこねてつくるのですが、大豆の粒感を残すのか残さないのか、容器に詰めやすくするために団子状にまとめるのか、塩はどれくらい使うのか、どんな容器に詰めていくのかなど、使っている材料はみんな同じはずなのに、仕込みのこだわりは参加者の数だけありました。こうした違いによって、完成する味噌の色や味も異なってくるのかもしれません。





しかし、どのつくり方が正解というものではなく、どのつくり方も正解です。


参加者のみなさんはそういった違いや工夫を共有しながら、味噌づくりに慣れている人も初めての人も、一緒に楽しい雰囲気の中で仕込みを終えることができました。家の中で半年も寝かせておけば、「我が家のがいちばん!」と言いたくなるほど美味しい「手前味噌」になります。





帰り際には、藤原食品さんより「鴨川納豆」をはじめとする納豆セットをお土産にいただきました。「こんなにたくさんもらっていいの?」とみなさん大喜び!





その後は仕込んだばかりの4キロの味噌を持って、御霊神社(上御霊神社)へ向かいました。まずは、拝殿で完成した味噌のお清めと、参加者の健康をお祈りしてもらいます。





そして特別に、禰宜の小栗栖憲英さんより、御霊神社境内の案内をしていただきました。


この御霊神社には、桓武天皇の弟である早良親王が祀られています。早良親王は無実の罪を着せられ、無念の死を遂げました。そして彼の死から100年近く経った頃、京都では疫病が流行りましす。これを早良親王の怨念と考えた人々は、「怨念を鎮めるためにこの御霊神社を建立した」と伝えられています。





「でもね、、、」と、小栗栖さんはわたしたちに問いかけます。「死後100年も経って、早良親王が自身の死とは直接関係のない市民に対して恨みを晴らすというのは、筋が通る話なのでしょうか?」


「史実として明文化することは、時に事実と違う解釈を込められて次世代へ継承されてしまうこともあるかもしれないですね」。小栗栖さんは、これを「ことあげせず」ということばで説明してくださいました。





境内をゆっくり一周した後は、御霊神社の前にお店を構え、室町時代より続いている水田玉雲堂の「からいた」を皆さん一緒にいただきました。


春の始まりの日に神様のお力も借りてつくった味噌は、とっても美味しくなるはずです。参加された方々の味噌が美味しく、そして参加者のみなさんが1年間健康でありますように。







来年もこの授業があれば、またお会いしましょう!



レポート&写真:倉本芽美


 
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